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2025年06月06日

先週のブログ更新で600回になる。毎週、更新しているのでブログを始めて12年、生まれて小学校を卒業する年月が過ぎた。時間が経つのは早いな…。そもそも「ブログ」とは「Web」と「Log」を繋げた略語で、インターネット上に公開された日記や記事を指す。将来、当時の自分が過去に何を考えていたのか、自身で読み返すためにブログを続けている。当面の間はブログを続けよう。

ところで以前も紹介したが、本多静六という人物をご存じだろうか?彼は明治、大正、昭和にかけて林学博士として東京大学で教鞭を執る傍ら、造園家として活躍した人物だ。彼は「日本の公園の父」と呼ばれ、明治神宮、日比谷公園など全国の公園設計に携わり、福岡の中心部にある大濠公園も手掛けている。また彼は東京大学の教授でありながら、巨万の富を築いた人物としても知られ、僕は投資を勉強する中で彼を知った。

彼は貧しい農家の出身で、苦学の末、東京山林学校(のちの東京農科大学、現在の東大農学部)に入学し、一度は落第するも猛勉強して首席で卒業している。その後、彼はドイツに留学しミュンヘン大学で国家経済学博士号を修得。25歳で帰国し東京農科大学の助教授となり、後に教授に昇任している。研究生活のかたわら植林・造園・産業振興など多方面で活躍するだけでなく、独自の蓄財投資法と生活哲学を実践し莫大な財産を築いた。彼は定年退官を期に全財産を匿名で寄付し、戦中戦後を通じて働学併進の簡素生活を続け370冊余りの著作を残している。彼の著書である「私の財産告白」には彼がどのように財産を築いたのか記されている。

彼は幼少時代から貧しく、留学先のドイツから帰国すると東京農科大学の助教授になったが9人の家族を養っており、当時の彼の収入で9人の家族を養うことは楽ではなかった。そこで彼は貧乏生活から抜け出すため、貧しくても容赦なく月収の4分の1を天引きして貯金にまわし、4分の3の月収で生活した。給料前に現金が底をつき家族が音を上げても、彼は歯をくいしばり甘い感情を一切廃しストイックに貯金を続けたそうだ。

そして貯金がある程度の額に達し軍資金ができると、ドイツ留学時に出会った博士の教えに従い独自のルールで投資を始める。すると爪に火を点す思いで貯めたお金は、転がる雪だるまのように増えていった。後年、彼は貯金、投資の他に出費を抑えることも奨励している。貯金を増やしていくうえで、最も毒になるものは「虚栄心」であると戒めている。

この時期は夏のボーナス払いだけではなく、早くも冬のボーナス払いなどと甘い誘惑が街に溢れている。使うことを考える前に、「虚栄心」を捨て増やすことを考えることも必要だ。

2025年05月30日

先週、沖縄よりも早く奄美地方が梅雨入りし、福岡でも雨が続いたので梅雨入りすると思ったが、今週の福岡は澄み切った青空が広がり五月晴れで良い天気だった。6月に入ると全国的に梅雨入りし鬱陶しい季節になるが、サラリーマンはこの時期に夏のボーナスが支給されるので心弾む人が多いのではないだろうか。

ところで、日本を代表するある大手企業が今年の冬から賞与を廃止し、「賞与の給与化」に踏み切るという。背景には人手不足で人材獲得競争が激化し初任給を大幅に引き上げ、人件費が増加したことによるものだという。「賞与の給与化」は企業と従業員にどのようなメリットとデメリットがあるのだろうか。

まず企業のメリットは求人票に記載される月給額が高くなるので、人材獲得を有利に進めることができ、従業員の転職に歯止めを掛けることに繋がる。従業員のメリットでは月給が増えるので、生活が安定し将来設計が立てやすくなる。逆に企業のデメリットは業績に合わせて調整可能な賞与が廃止され賞与が月給に振り分けられて固定化するので、業績が悪くても賞与での調整ができず、持続的に賃上げを行わなければならない。従業員のデメリットは月給をはるかに上回っていた賞与がなくなることで、高揚感とやる気が失われてしまうことに繋がる。またボーナス払いでローンを組んでいた人は支払いが複雑になってしまう。

このように「賞与の給与化」は企業と従業員どちらにもメリットとデメリットはあるが、この流れは日本企業で広がり、いずれアメリカのように個人の能力に合わせた完全年俸制になるのではないだろうか。新入社員で入社すると数年間は教育期間で、その後はプロスポーツ選手のように能力に合わせて年俸が毎年変動し、優秀で能力の高い社員の年俸は増えるが、能力の低い社員の年俸は減り、いずれ退場しなければならない。

海外でもボーナスはあるようだが、日本ほど総支給額に占める比率が高い国は少ない。日本独自の「ボーナス文化」は転換期を迎えているようだ。

若い頃、ボーナスが出ると気が大きくなり決まって旨いものを食べに出掛け、ボーナスの使い道を考えていた。最後に貰ったボーナスはいつだっただろう。

「ボーナスか…懐かしいな~」

2025年05月23日

自立した生活が難しくなった高齢のお袋と暮らして5年になる。自宅ではお袋が洗濯を担当していたが、2年ほど前からできなくなった。今年に入ると、昼間も寝ていることが増え、ベッドから自力で起き上がることが難しくなり、外出時はもちろん自宅でも歩行器を使ってよろよろと歩いている。当然、風呂に1人で入ることはできないので、週に2回デイサービスで入浴している。以前は物忘れ程度だったが、認知症が進んでいるようで多くのことを直ぐに忘れてしまう。そして体と頭の自由が利かないためか、他人を気遣うことは減り自己中心的な思考になってしまった。

そんなお袋との生活で喧嘩になることがあり、原因は大きく3つある。

まず愛犬Q次郎にお袋は食べ物を何でも与えることだ。犬も人間と同じで、塩分を含んだ食べ物や小麦に含まれるグルテンが入った食べ物を与えない方が健康で長生きができる。しかしお袋は平気でお菓子やパンなどを与えるので注意しているが、お袋が何か食べていると、Q次郎は食べ物をねだりにお袋の元に寄って行く。自宅で焼き肉をしている時、焼肉のたれがたっぷりと付いた肉を与えていたのできつく注意したが、その後も僕の目が届いていないところでたれ付いた肉を与えたので僕は怒鳴った。「お袋!Qに焼肉のたれが付いた肉とか絶対にやらんで!何回、言えばわかると!」…自宅では焼肉をしないことにした。

またお袋は歯が悪いにもかかわらずお菓子が大好きで、菓子パンやカステラには目が無い。お袋は心臓が悪いので、医者から塩分を控えるよう注意されているが、塩気の強いお菓子も好んで食べる。塩分を控えて健康バランスを考えた食事を出しても感謝することはなくあまり口にしない。「お袋の体を気にして料理しよるけん、感謝して全部食べんといかんやろ!」…自宅にあるお菓子を隠すことにした。

さらにお袋が時間にルーズになったことで喧嘩になる。お袋はテレビが好きで、お袋の部屋では一日中テレビが付いている。病院の予約した時間が迫っていてもテレビに見入って出掛ける準備が整わない。先日も外出する2時間前から準備するように促したが、一向に準備は進まない。「テレビを見らんで、早よ、準備せんと、遅刻するやろ!」…お袋が予定のある日はテレビを消すことにしたが、お袋は準備をせずに寝てしまうようになった。

老いていくお袋を見ていると恐ろしくなってしまう。齢を重ね高齢になると、心身ともに制御不能になり全てがどうでもよくなっていくのかもしれない。僕は制御可能なうちにあの世に行くことにしよう。

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