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2025年08月01日

以前、夏の夜に寝ていると、家人のうめき声で目を覚まし時計を見ると、夜0時を過ぎていた。急いで駆け付けると、家人はトイレでうずくまっている。

「どうしたと?」

「何度も戻して、めまいがして動けん…」

「大丈夫や?救急車を呼ぼうか?」

「お願い…」

酒を飲んでいた僕は運転することができず、急いで119番に電話を掛け状況を伝えた。救急車は5分ほどでマンションに到着し、自宅から家人をストレッチャーで運び僕も同行して病院へ向かった。検査の結果、家人は熱中症と診断された。夏場の暑い時期、家人は僕が寝た後に長風呂に入り脱水症状で熱中症になったという。その日、家人はそのまま入院し、僕が自宅に戻る頃は空が白み始めていた。

ところで昨年より一部の地域で、一定の条件下で救急車を利用した場合に費用が発生するそうだ。三重県松阪市では2024年6月から救急車で病院に運ばれ入院にならなかった場合、「選定療養費」として7,700円を徴収される。また茨城県でも2024年12月より、救急車で搬送され緊急性が認められなかった場合、松坂市と同様、「選定療養費」が徴収される。

救急車の出動件数は年々増加しており、令和4年の全国出動件数は722万9572件で搬送人員は621万7283人。これは前年よりも大幅に増加し平成14年以降最多の人数だが、搬送された約半数は軽症だったという。そこで重症度の高い救急患者の対応に集中する目的で救急車は有料化され、この動きは全国に広がりそうだ。また救急車の要請が多いと、管轄の救急隊の出動が重なり、遠いエリアから救急車を出動させることになるため到着まで時間が掛かり、助かる命が助からないという事態に繋がる。

救急車の有料化は緊急性と重症度の高い人に迅速に対応するためだが、軽症か重症か自ら判断することは難しく、低所得者の経済的負担など課題も残る。

「ピーポー、ピーポー」

猛暑で熱中症になった人を病院に運んでいるのだろうか…。今年の夏は救急車のサイレンをよく耳にする。皆さんも熱中症にはくれぐれも気を付けて下さい!

来週から夏休みで、ブログの更新は2週お休み。それでは素敵な夏休みを!


2025年07月25日

先週までセミの声が聞えない静かな夏だったが、今週に入ると一斉にセミの大合唱が始まった。暑さの影響でセミはいなくなったのかと心配していたが、パートナーを見つけ命を繋ぐため朝から猛暑の中、精一杯鳴いている。意外にも自然の中で暮らす生物は生命力があるのかもしれない。

ところで僕の住むマンションの隣で新築マンションの建設が進んでいる。作業スタッフは皆、ヘルメットを被り脇の下にファンの付いた長袖の空調作業服を着て、連日作業をしている。夕方、汗にまみれの作業スタッフに声を掛けた。

「お疲れ様。そのファンの付いた作業着は涼しいとね?」

「いや~、こう暑いと作業着の中を温風が循環している感じで、無いよりマシって感じですよ。会社の決まりで、熱中症にならんよう作業中は着用しとるんです」

「作業服の中に保冷材が入っとけば涼しいやろうけどね」

「保冷剤を入れる作業服もあるようですけど、うちはまだ…」

福岡では今週に入ると、夏の暑さはギアをさらに上げ、連日35℃を超える猛暑日が連日続いている。炎天下の中で作業をする建設業は慢性的な人手不足で、人材を確保するため一部の会社で「暑さ手当て」を導入しているそうだ。ある建設会社では30℃以上の真夏日は500円、35℃以上の猛暑日には1,000円を「暑さ手当」として支給。また熱中症対策の一環として空調作業服をスタッフ全員に支給し、建設現場には小型の製氷機やスポットクーラーも設置しているそうだ。「暑さ手当て」を支給している建設会社は年々増加し、今では300社を超えるという。

さらに建設現場の負担を減らすため最新技術も導入され、360度カメラで建設現場を数分歩くと、AIが自動で図面のデータに進行状況を記録し、猛暑日は現場監督を休ませる対策をとっている会社もあるそうだ。近い将来、建設業界は猛暑の夏も極寒の冬も一年中AIやロボットが工事をしているのかもしれない。

作業スタッフにこう言って別れた。

「もう少しで作業が終わるけん、帰って風呂に入って冷えたビールが飲めるやん」

「そうですね。毎日、それを楽しみに頑張ってます!」

「それだけ汗かいたら冷たいビールが旨いやろーなー。じゃー頑張って!」

いずれにしても早く暑さが落ち着ついてほしい。秋の訪れを多くの人が待ち望んでいる。


2025年07月18日

7月15日の早朝、福岡では「博多祇園山笠」のフィナーレを飾る「追い山」が行われ、いよいよ夏本番だ。例年、この時期に福岡は梅雨が明け、早朝からセミの大合唱で目を覚ますが、今年はいつもの夏とは様子が異なりセミの声がいつものように聞えてこない。一体、セミはどこに消えてしまったのだろう。

そもそもセミの幼虫は地中で数年間過ごし、地上に出てくると羽化して成虫になる。成虫のセミにとって夏は短い恋の季節で、パートナーになるメスを誘うため大声で鳴き、地上に出て1カ月ほどで命が尽きる。セミの羽化は成功率が約40%と言われ、悲しいことに残りの60%は羽化に失敗して死んでしまうそうだ。羽化に失敗する主な原因は、体力が必要な羽化の途中で力尽きてしまうことや、羽化の途中に天敵の鳥やクモなどに襲われてしまうためだという。

今年、セミが減った原因はいくつか考えられるようで、セミが羽化するためには地温が18~23℃程度に達することが重要で、今年は急激に暑くなり地温が一気に上がったことで羽化のタイミングを掴み損ねたこと。次にセミは地中で樹木の根から樹液を吸って成長するが、梅雨が短く乾燥した日が続いたことで樹液が減り、羽化に必要なエネルギーや水分をしっかり摂れなかったこと。そして近年続いている夏の猛暑を乗り越えられなかった幼虫が多くいることなどが考えられるそうだ。このまま暑い日が続くと幼虫のまま死んでしまうか、羽化の途中で力尽きてしまうセミが増え、秋になってしまうかもしれない。セミにとって恋の季節である夏にパートナーと出会うことができなければ、数年後の夏も今年のようにセミの鳴き声が聞こえない夏になってしまう。

僕は夏が大嫌いだが、セミの声は夏の訪れを教えてくれる夏の風物詩のひとつで、あの煩い蝉の声が聞こえないとどこか寂しく感じてしまう。季節の風物詩が減ってしまうと、古くから五感で感じていた季節感が減り物足りない。夏は大嫌いだが、いつもの夏であってほしい。

アメリカのトランプ大統領は「気候変動はいかさま」だと言いパリ協定から離脱したが、さらに温暖化が進めば、人間だけではなく地球上の生き物に大きな影響が及んでしまう。今年の夏の暑さは特に地球温暖化が加速していることを実感してしまう暑さだ。

「セミさ~ん、早く地中から出ておいで~」


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