自立した生活が難しくなった高齢のお袋と暮らして5年になる。自宅ではお袋が洗濯を担当していたが、2年ほど前からできなくなった。今年に入ると、昼間も寝ていることが増え、ベッドから自力で起き上がることが難しくなり、外出時はもちろん自宅でも歩行器を使ってよろよろと歩いている。当然、風呂に1人で入ることはできないので、週に2回デイサービスで入浴している。以前は物忘れ程度だったが、認知症が進んでいるようで多くのことを直ぐに忘れてしまう。そして体と頭の自由が利かないためか、他人を気遣うことは減り自己中心的な思考になってしまった。
そんなお袋との生活で喧嘩になることがあり、原因は大きく3つある。
まず愛犬Q次郎にお袋は食べ物を何でも与えることだ。犬も人間と同じで、塩分を含んだ食べ物や小麦に含まれるグルテンが入った食べ物を与えない方が健康で長生きができる。しかしお袋は平気でお菓子やパンなどを与えるので注意しているが、お袋が何か食べていると、Q次郎は食べ物をねだりにお袋の元に寄って行く。自宅で焼き肉をしている時、焼肉のたれがたっぷりと付いた肉を与えていたのできつく注意したが、その後も僕の目が届いていないところでたれ付いた肉を与えたので僕は怒鳴った。「お袋!Qに焼肉のたれが付いた肉とか絶対にやらんで!何回、言えばわかると!」…自宅では焼肉をしないことにした。
またお袋は歯が悪いにもかかわらずお菓子が大好きで、菓子パンやカステラには目が無い。お袋は心臓が悪いので、医者から塩分を控えるよう注意されているが、塩気の強いお菓子も好んで食べる。塩分を控えて健康バランスを考えた食事を出しても感謝することはなくあまり口にしない。「お袋の体を気にして料理しよるけん、感謝して全部食べんといかんやろ!」…自宅にあるお菓子を隠すことにした。
さらにお袋が時間にルーズになったことで喧嘩になる。お袋はテレビが好きで、お袋の部屋では一日中テレビが付いている。病院の予約した時間が迫っていてもテレビに見入って出掛ける準備が整わない。先日も外出する2時間前から準備するように促したが、一向に準備は進まない。「テレビを見らんで、早よ、準備せんと、遅刻するやろ!」…お袋が予定のある日はテレビを消すことにしたが、お袋は準備をせずに寝てしまうようになった。
老いていくお袋を見ていると恐ろしくなってしまう。齢を重ね高齢になると、心身ともに制御不能になり全てがどうでもよくなっていくのかもしれない。僕は制御可能なうちにあの世に行くことにしよう。
ゴールデンウィークは瞬く間に過ぎ日常生活が戻ってきた。今は自由な生活を送っているが、仕事をしている頃の名残なのだろうか、連休が終わると多少心が沈んでしまう。今年のゴールデンウィークは数年ぶりに福岡に戻って来た親戚を囲んで酒を飲み、親父の命日が近い日に教会でお祈りを済ませ、妹家族と昼から親父を偲んで酒を飲んだ。(偲んで…?楽しく酒を飲んだ?)人が集まると何故か酒を飲み宴会になる。
ところで宴会といえば、食べて、飲んで、語り合う楽しい時間だが、西アフリカの熱帯雨林で、野生のチンパンジーが自然発酵したアルコールを含んだ果実を仲間と食べる様子が初めて撮影された。この撮影はイギリスの大学による調査研究で、2022年4月から7月にかけて行われ、西アフリカの国立公園に暮らす野生のチンパンジーが対象で、チンパンジーを恐がらせないように固定カメラを3カ所に設置し定点撮影を行った。その結果、調査期間中に70回の食事する行動が記録され、そのうち10回は自然発酵した果実を食べていたという。しかも発酵した果実を食べるときは決まって複数頭が集まり一緒に分け合っていることが確認された。
研究チームがチンパンジーの食べ残した果実を採取して調べたところ、アルコール度数は0.61%程度とアルコール濃度は比較的低いが、チンパンジーは日々の食事の60〜85%を果実でまかなっており、その中には発酵した果実も多く含まれ、微量のアルコールが積み重なることで、かなりのアルコール量を摂取している可能性があるという。基本的にチンパンジーは食料を仲間と分け合うことをしないそうだが、アルコールを含む食料は仲間と分け合って一緒に食べていたという。これはアルコールによるリラックス効果や仲間との絆を深めるための行為で霊長類の祖先の頃から存在し、現代人の「宴会文化」に繋がっている可能性があると、研究チームは指摘している。
働いている頃は懇親会や接待など宴会が多く、自宅で用意された夕食をドタキャンして家人に叱られることもあった。その度に「付き合いだから仕方がないやろ」と返していたが、もっと早くにこの研究報告が発表されていれば、「霊長類の祖先のDNAが受け継がれている」と返していただろう。
「猿も人間も宴会が好きなんやなぁ~」
濃霧注意報が発表された今週、朝方は福岡の中心部のビルが見えないほど霧が掛かっていたが、午後には霧はすっかり晴れ青空が広がった。翌日は雨の予報だったので、愛犬Q次郎を連れて西区にある小戸公園に散歩に出掛けた。この公園はヨットハーバーに隣接され、海を挟んで間近に能古島を見渡すことができるが、海にはまだ深い霧が掛かり能古島は全く見えない。
「能古島が見えんな。陸地の霧は晴れたばってん、海はまだ霧が掛かっとるんやな~」
そもそも霧は視界が1㎞未満で、100m以下の霧を濃霧と呼ぶそうだ。霧は極めて小さな水の粒で、霧吹きの水の粒よりもさらに小さな水の粒が空気中に浮かんでいる状態だ。空気には水蒸気という形で水が含まれており、気温によって空気中に含まれる水蒸気の量は変化する。暖かい空気にはたくさんの水蒸気が含まれているが、冷たい空気では水蒸気は少ない。気象条件により気温が下がると、余分な水蒸気は水の粒となり目に見えてくる。この現象は沸騰したヤカンの口から出た直ぐの湯気は高温で透明だが、ヤカンの口から少し上の方では、冷やされた水蒸気が水の粒となって目に見える現象と同じだ。自然の中で空気が冷やされる原因はいくつかあり、数種類の霧があるそうだ。
まず「移流霧」と呼ばれる霧は、冷たい海流に高気圧によって温められた湿った空気が流れ込み、海流で冷やされ水蒸気は水滴となり空気中に浮かぶもので、この霧は風向きによっては陸に入ることもある。次に「滑昇霧」は空気が沿岸の山に沿って上昇するときにできる霧で、高度が上がるほど気温は下がり山の斜面に沿って上昇した空気は冷やされ、余分な水蒸気は水滴となり空気中に浮かび霧になるそうだ。「滑昇霧」も「移流霧」もそれほど背の高い霧ではなく山を越えることはなく、沿岸で霧が出ていても内陸では晴れていることがあるという。さらに内陸では、「放射霧」と呼ばれる霧が発生する。日の出前は気温が最も低く空気中の余分な水蒸気は水滴となって霧が発生し、太陽が昇り気温が高くなると消えてしまう。「放射霧」は秋に発生しやすく、日中雨が降り夜になって晴れた時に発生しやすい。
今週、福岡で発生した霧は初夏のような天気で湿った空気が流れ込み、まだ冷たい海水に空気が冷やされ霧が発生したのだろう。今年の福岡のGWは例年より気温が高いようだ。それでは皆さん熱中症に気を付けて素敵なGWを! GWにQ次郎の伸びた毛をカットしてあげよう。GWでブログの更新は2週間お休み。ヤッタ~!!