一緒に笑い合った友人が、突然この世を去った。僕より二つ年下で、大学時代からの大切な友人の一人だ。みんなから「きっちぇ」と呼ばれていた。
1月10日の夜、彼の奥さんから突然訃報が届いた。あまりに急で、言葉が出なかった。知らせを受け、家人とともに安置されている葬祭場へ向かい、静かに横たわる彼に手を合わせた。その姿はまるで眠っているようで、現実として受け止められず、涙も出なかった。
奥さんによれば、12月23日に急に苦しくなり救急車で病院へ運ばれたという。肝臓が悪いようでICUで治療を受けていたが、今日、帰らぬ人となった。わずか2週間の出来事だった。以前患った悪性リンパ腫が再発したのかもしれない、とふと思った。
彼との付き合いは約40年。思い出は数えきれない。
学生時代は毎日のように顔を合わせ、夜になれば自然と集まっては、夜更けまで酒を飲み、騒ぎ、語り合った。若さと勢いだけで生きていたあの頃、彼はいつもそばにいた。
酔いつぶれて真っ先に眠ると顔に落書きされるのが恒例で、彼はいつもその標的だった。本人は気づかずそのまま帰り、翌日「なんで誰も教えてくれんやったと〜」と笑いながら怒る姿が、今でも鮮明に思い出される。
また、カラオケで彼が熱唱している間に友人たちがこっそり部屋を抜けて、気づけば彼一人。代金を払う羽目になり、持ち合わせのなかった彼は免許証を預けて帰り、翌日支払いに行ったというエピソードもある。
数年前、うちに遊びに来て一緒に飲んだ帰り、彼は「電車で帰る」と言い張り、自宅とは逆方向の最終電車に乗り、眠ってしまったそうだ。終点で駅員に起こされ、結局タクシーで帰ることになり、僕の家から帰る金額の5倍も払ったという。「なんで逆の方向に乗ったんやろう」と苦笑いしていた。
社会人になってからは会う頻度こそ減ったが、長い休みには旅行やキャンプに出かけ、彼の結婚式では余興を行った。最近では年に二度ほど会っては、昔と変わらない調子で酒を飲み、くだらない話をして笑った。
仕事では苦労も多かったようだが、彼は失敗談を明るく語り、周りへの気遣いを忘れない優しくて繊細な人間だった。誰かが困っていれば自然と手を差し伸べ、場の空気が悪くなりそうなときはいつも和ませていた。そんな彼の優しさに、僕は何度も救われた。
突然の別れは、ある日ふいに訪れる。
昨年もうちで一緒に酒を飲んだが、1年後に彼がいなくなることなど想像もしなかった。最近は身近な別れが続き、また一人大切な人を失った。残された彼の家族のことを思うと胸が痛む。どうか、彼の分もしっかり生きてほしい。僕もできる限り力になりたいと思っている。
1月12日の葬儀の前、学生時代の写真を見返した。顔に落書きされた彼の写真があった。思わず笑い、そして涙があふれた。
「きっちぇ、本当に楽しかったな…。何も心配せんで、天国でゆっくりしてくれ。いずれそっちで楽しく酒を飲もう。」









