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2024年02月02日

つい先日、おせち料理を食べていたかと思うと、もう2月に入り明日は節分だ。2月は日数が少ないので、あっという間に3月になり春が訪れる。年初に掲げた目標に早く取り組まないと、年末の採点で高得点を狙えなくなってしまう。ヤバ…。

ところで先週末、長年お付き合いしている東京キー局で働く親しい先輩が来福したので、食事をすることに。彼は昭和の営業スタイルを今も貫く営業マンで、広告業界では名の知れた存在だ。彼にテレビや広告業界のことを尋ねると、彼の顔は曇った。

「今の時代、誰もテレビなんて見ないよ。広告も激減してるし…」

「そんなに業績は悪いんですか?」

高度経済成長期から、テレビは国民的メディアとして広く親しまれ、社会に絶大な影響力を与えてきた。ところがネットやスマートフォンの普及とともに、現在、「テレビ離れ」が進行している。実際のところ、「テレビ離れ」はどのくらい進んでいるのだろうか。

NHKが5年ごとに行っている「国民生活時間調査」2020年版では、平日の1日のうち、いずれかの時間帯にテレビを見る国民の割合は「79%」で、5年前の「85%」から6ポイント減少している。世代別で60代以上は同水準を維持しているのに対し、10代から40代は全て10ポイント以上落ち込んでいる。そして最も下落率の大きい世代は「16~19歳」のティーンエイジャーで、5年前の71%から47%と24ポイントも減少し、10~20代においてはほぼ半数がテレビを見ていないという。

「テレビ離れ」の原因はネットやスマートフォンの普及と、それに伴うネットコンテンツの拡大だ。多くの世代でスマートフォンを閲覧することが習慣になり、コンテンツやゲーム、それに漫画アプリなどが定着し「テレビ離れ」が加速している。そのため民放キー局5社の売上高はいずれも減少し、とくに広告割合の大きい「スポット広告」の収入が、各局とも前年度から10%以上も下落しているという。

また大手広告代理店の調査では2020年におけるテレビの広告費は、ここ10年間で初めて1.7兆円を下回った。一方、ネットの広告費は年々上昇傾向で、2019年にテレビ広告を超え、2020年は2.2兆円と最高値を記録した。

「一緒に暮らしている高齢の母は相変わらず一日中テレビを見ていますが、僕はテレビを見なくなりましたね~」

そう先輩に伝えると、

「お袋さん、テレビ見てくれてるんだ。有難いな~。テレビは今じゃ、年寄りのメディアになったんだよ」

栄枯盛衰というが、時代は大きなうねりを繰り返し変化していく。子供の頃、僕にいつもチャンネルを奪われていた妹はヒーローアニメや戦隊ものを仕方なく見ていた。


2024年01月26日

今週、今季一番の寒波が襲来し福岡では日中の気温は2℃と低く、雪が宙を舞っていた。震災の被害で電気も水道も止まり、極限の生活を強いられている被災者の方のことを思うと胸が痛い。一刻も早く復興できることを心より願うばかりだ。

1月1日、能登地方を襲った地震で輪島市の中心部にある「朝市通り」付近で大規模火災が発生した。消火に当たった消防隊によると、火元は「朝市通り」南側の店舗周辺とみられ、消防隊が火災を発見したものの倒れた電柱や倒壊した家が道を塞ぎ、断水により消火栓から水は出なかったという。そこで近くの川からポンプで水を吸い上げようとしたが、地震の影響で川の水はなく、水を吸い上げることができなかったそうだ。そして能登地方の道路は多くが陥没し、応援の消防車両も駆けつることができず、風に煽られ火は一気に広がったという。

この火災で両親が家の下敷きになり助けることができなかったという息子さんが、焼け野原のようになった火災現場でテレビの取材に応じた。その日、彼は「朝市通り」近くにある実家で両親と3人で、おせち料理を食べ新年を祝っていた時、地震が発生した。家族全員で避難所に向かうため車を家の前に移動させようと彼が外に出た時、再び大きな揺れが襲い実家は倒壊し、彼の目の前で両親は家の下敷きになった。

彼は両親を助けようとしたが、実家は激しく崩れ外から2人の姿は見えない。両親に呼びかけると、母は「助けを呼んでくれ。あなたが頼り」と応じたという。しかしその時、「朝市通り」で火の手が上がり近くまで火が迫っており、両親を残して避難せざるを得なかったという。彼は取材の最後にこう言っていた。

「現実だと思えません。目の前のことに集中していないと、バランスが崩れて落っこちていくんじゃないかという感じです」

彼と両親のことを思うと、悲痛で居ても立っても居られない気持ちになった。

もし僕が彼と同じ状況だったらどうしているのだろうか?僕も彼のようにその場を離れ避難せざるを得ないだろう。僕は下敷きになっている親に大声で今の状況を伝え、避難することを謝罪し、その場を離れただろう。

「親父、お袋、すまん!必ず戻ってくるけん!ちゃんと生きとってくれよ!」

その言葉に親はきっとこう返しただろう。

「俺たちのことは何も心配せんでええ!とにかく早よ逃げて生きろ!!」

昨年、亡くなった親父の顔が目に浮かんだ。


2024年01月19日

車を新しく買替えたので、納車日に下取りに出す今まで乗っていた車でディーラーに出掛けた。ディーラーに到着し担当者から車の説明を受けた後、今まで乗っていた車からCDなどの小物を新しい車に移した。新しい車でCDを掛けようとCDプレーヤーを探すと見つからず、担当者にCDプレーヤーがどこにあるか尋ねた。

「CDプレーヤーはどこにあると?」

「えっ、CDプレーヤーですか?CDプレーヤーは付いていませんよ」

「CDプレーヤーが付いてない?ラジオだけ?」

「あの~、今の車にはCDプレーヤーは付いてないですよ」

「えっ?CDプレーヤーが付いていない?オプションなの?」

「いいえ。今はネットでSpotifyなど音楽アプリをダウンロードして聴くんですよ」

「Spotify…?」

新しく買い替えた車は6年前に購入し下取りに出した車の後継モデルだが、6年前の装備から驚くほど進化していた。買い替えた車はスマホのようにどこでもネットに繋がり、Googleを搭載したシステムでGoogleのアプリとサービスの利用を受けることができる。Googleアシスタントは社内の温度調節はもちろん、ナビゲーションでの目的地の設定、音楽再生など多くのことを音声でコントロールすることができ、ドライバーはハンドルから手を離すことなく操作することができる。そしてアプリストアから動画や音楽などアプリをダウンロードして利用するのでCDプレーヤーは装備されていない。

早速、自宅に戻りタッチパネルのセンターディスプレイに声を掛けてみた。

「OK. Google!」

「ピコッ」

「今日の福岡の天気は?」

「はい。今日の福岡は雨で気温は9℃でしょう」

と女性の声で返事が返ってきた。

マニュアルに従いYouTubeなどアプリをダウロードすると、YouTubeは安全のため運転中に見ることはできないが、停止している間は動画を楽しむことができる。またディーラーの担当者が言っていたSpotifyをダウンロードすると、無料で楽曲を検索し再生することができるうえ、ライブラリーに保存することで気に入った楽曲を何度も再生することができる。そして驚いたことに、自分のスマホのGoogleマップで車の現在地を確認でき、スマホから遠隔操作で車のエンジンを始動させ乗車前に車内温度を調整することもできる。

「すげ~。こりゃ~マニュアル読み込まんと使いこなせんな…」

技術は日進月歩で進み常に新しい技術に触れていないと時代に取り残されてしまう。近い将来、車はトランスフォーマーのようになってしまうかもしれない。

ところで自宅に山のようにあるCDはどうすればよいのだろうか…。


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