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暑さ手当
2025年07月25日

先週までセミの声が聞えない静かな夏だったが、今週に入ると一斉にセミの大合唱が始まった。暑さの影響でセミはいなくなったのかと心配していたが、パートナーを見つけ命を繋ぐため朝から猛暑の中、精一杯鳴いている。意外にも自然の中で暮らす生物は生命力があるのかもしれない。

ところで僕の住むマンションの隣で新築マンションの建設が進んでいる。作業スタッフは皆、ヘルメットを被り脇の下にファンの付いた長袖の空調作業服を着て、連日作業をしている。夕方、汗にまみれの作業スタッフに声を掛けた。

「お疲れ様。そのファンの付いた作業着は涼しいとね?」

「いや~、こう暑いと作業着の中を温風が循環している感じで、無いよりマシって感じですよ。会社の決まりで、熱中症にならんよう作業中は着用しとるんです」

「作業服の中に保冷材が入っとけば涼しいやろうけどね」

「保冷剤を入れる作業服もあるようですけど、うちはまだ…」

福岡では今週に入ると、夏の暑さはギアをさらに上げ、連日35℃を超える猛暑日が連日続いている。炎天下の中で作業をする建設業は慢性的な人手不足で、人材を確保するため一部の会社で「暑さ手当て」を導入しているそうだ。ある建設会社では30℃以上の真夏日は500円、35℃以上の猛暑日には1,000円を「暑さ手当」として支給。また熱中症対策の一環として空調作業服をスタッフ全員に支給し、建設現場には小型の製氷機やスポットクーラーも設置しているそうだ。「暑さ手当て」を支給している建設会社は年々増加し、今では300社を超えるという。

さらに建設現場の負担を減らすため最新技術も導入され、360度カメラで建設現場を数分歩くと、AIが自動で図面のデータに進行状況を記録し、猛暑日は現場監督を休ませる対策をとっている会社もあるそうだ。近い将来、建設業界は猛暑の夏も極寒の冬も一年中AIやロボットが工事をしているのかもしれない。

作業スタッフにこう言って別れた。

「もう少しで作業が終わるけん、帰って風呂に入って冷えたビールが飲めるやん」

「そうですね。毎日、それを楽しみに頑張ってます!」

「それだけ汗かいたら冷たいビールが旨いやろーなー。じゃー頑張って!」

いずれにしても早く暑さが落ち着ついてほしい。秋の訪れを多くの人が待ち望んでいる。


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