以前、夏の夜に寝ていると、家人のうめき声で目を覚まし時計を見ると、夜0時を過ぎていた。急いで駆け付けると、家人はトイレでうずくまっている。
「どうしたと?」
「何度も戻して、めまいがして動けん…」
「大丈夫や?救急車を呼ぼうか?」
「お願い…」
酒を飲んでいた僕は運転することができず、急いで119番に電話を掛け状況を伝えた。救急車は5分ほどでマンションに到着し、自宅から家人をストレッチャーで運び僕も同行して病院へ向かった。検査の結果、家人は熱中症と診断された。夏場の暑い時期、家人は僕が寝た後に長風呂に入り脱水症状で熱中症になったという。その日、家人はそのまま入院し、僕が自宅に戻る頃は空が白み始めていた。
ところで昨年より一部の地域で、一定の条件下で救急車を利用した場合に費用が発生するそうだ。三重県松阪市では2024年6月から救急車で病院に運ばれ入院にならなかった場合、「選定療養費」として7,700円を徴収される。また茨城県でも2024年12月より、救急車で搬送され緊急性が認められなかった場合、松坂市と同様、「選定療養費」が徴収される。
救急車の出動件数は年々増加しており、令和4年の全国出動件数は722万9572件で搬送人員は621万7283人。これは前年よりも大幅に増加し平成14年以降最多の人数だが、搬送された約半数は軽症だったという。そこで重症度の高い救急患者の対応に集中する目的で救急車は有料化され、この動きは全国に広がりそうだ。また救急車の要請が多いと、管轄の救急隊の出動が重なり、遠いエリアから救急車を出動させることになるため到着まで時間が掛かり、助かる命が助からないという事態に繋がる。
救急車の有料化は緊急性と重症度の高い人に迅速に対応するためだが、軽症か重症か自ら判断することは難しく、低所得者の経済的負担など課題も残る。
「ピーポー、ピーポー」
猛暑で熱中症になった人を病院に運んでいるのだろうか…。今年の夏は救急車のサイレンをよく耳にする。皆さんも熱中症にはくれぐれも気を付けて下さい!
来週から夏休みで、ブログの更新は2週お休み。それでは素敵な夏休みを!