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2020年12月07日

僕は大学に入学するとバイトと遊びに明け暮れ昼夜が逆転した生活を送った。大学3年生になると就職を考える時期になるが、僕は卒業後に起業しようと決めていたので、予行練習のために在学中に友人と商売を始めた。商売と言っても無店舗の中古車販売で、車の購入を考えている友人などから希望の車種を聞き、中古車のオークション会場で車を仕入れて販売していた。
オークション会場に入るには店舗を構え会場に入るための業者登録が必要だったが、僕等は無店舗販売だったので業者登録はできなかった。そこでオークション会場でバイトを始め、そこに出入りする中古車業者と仲良くなり、希望の車種と金額を伝えオークションで落札してもらった。今考えると商売と言うよりブローカーのようだった。
また地元の大学で配布されていた大学生向けのフリーペーパーで新車やドライブコースなどを紹介する連載のページを任せてもらい、毎月、原稿を書いた。しかも原稿料は貰えるし僕等の広告も無料で掲載してもらった。

大學4年生になり周りは就職活動を始めていたが、僕と友人は全く就職活動をしなかった。周りから卒業後の進路を訪ねられると、僕等は独立すると胸を張った。しかし大学4年の夏の終わりに一緒に独立するはずだった友人の親から彼の就職に対しての切実な想いが綴られた手紙をもらったことで、僕は友人に就職するように強く促した。友人は僕に背中を押され親のコネで直ぐに就職が決まった。
大学4年の冬、独立に拘っていた僕に友人は、一旦は就職し、社会勉強をした後に共に独立しようと説得された。彼は独立して成功するためには広告やマーケティングの知識が必要になるので、広告業界に就職するようアドバイスした。結局、僕は彼に説得により就職活動をすることに。きっと彼は自分だけが就職することに後ろめたい気持ちがあったのだろう。

卒業間近の1月、大学の就職課の職員から電話があり、卒業後の進路が決まってないのは君だけなので、今後の進路相談のため出校するように言われた。就職課に出向くと今年の就職活動は既に終わっているので、翌年の就職活動に参加するよう告げられたが、僕は今年就職する意思を伝えた。すると過去に卒業生が就職した就職先リストがあるので、希望先を探し連絡を取ってみると良いとアドバイスを受け、僕は福岡にある広告会社に片端から電話を掛けた。しかし今年卒業の採用は終わっており全ての会社から断られた。ただ1社、中途採用計画があると言うので、僕は熱くその試験を受けさせてほしいと伝えると、僕の熱意を感じた先方は試験を受けることを承諾してくれ僕は就職試験に挑んだ。そして僕は就職試験に合格し卒業する年に就職することができた。
就職した後、筆記テストはさっぱりだったが、面接で大逆転だったと配属された上司から聞かされた。卒業し就職したての頃は生活が昼夜逆転していたので、遅刻しないで出勤できるか毎日が不安だった。ちなみに僕は就職して何度も遅刻をしてしまった(笑)

「あれから30年!」

綾小路きみまろではないが、今では目覚ましを全くセットしなくても早朝から目が覚める年齢になってしまった。

written by 彦之丞


2020年11月27日

早いもので今年も残すところ1カ月となった。今年の休みは自宅の引越と実家の片付けに随分と時間を奪われたが、平日は新型コロナウィルスの影響で取引先との会食も無く自宅での時間は昨年より大幅に増えた。そのため愛犬Q次郎とゆっくり過ごすことができている。昨年亡くなった先代の愛犬Q太郎は僕が休みの日以外はあまり一緒に過ごせなかったので、せめてもの罪滅ぼしのためQ次郎と一緒に過ごす時間を増やし散歩に出掛け家の中でも遊んでいる。

僕が仕事から自宅に戻り玄関のカギを開けると、待ってましたとばかりにQ次郎はボールを咥え尻尾をグルングルンと廻しながら玄関に駆け寄って来て直ぐに遊ぼうと僕を誘う。帰宅後、僕が風呂に入ると風呂のドアにQ次郎が座って待っている影が映っている。入浴後、晩酌しようと食卓の椅子に胡坐をかくと、僕の足の上に飛び載ってきて、おこぼれが落ちてくるのを待っている。また僕がソファーに座り映画を楽しんでいると僕の胸に上り横になり小さく鼾をかきながら眠ってしまう。そして僕がベッドに入るとQ次郎もベッドに潜り込んできて僕の腕に顎を載せ寝息を僕の顔に掛けながら一緒に眠る。結局のところQ次郎は「喰う、寝る、遊ぶ」を僕と楽しむために生きているようだ。

そんなQ次郎だが最近、芸を教えようと少し訓練すると、直ぐに芸を覚え“お手”や“お座り”それに“伏せ”までできるようになった。先代のQ太郎より飲み込みが早いので、ひょっとすると頭は良いのかもしれない。しかしQ次郎はトイレをなかなか覚えることができなかった。(本当に頭が良いのだろうか…)
最近、やっとトイレシートの上で用を足すこと覚えトイレを失敗することが少なくなったが、困ったことに自宅のトイレシートで用を足すことをしっかり教えたので、外出した出先では全く用を足すことをせず自宅に帰るまで頑なにトイレを我慢している。(我慢強く根性があるのかもしれない…)

新型コロナウィルスの感染者が再び増加し外出を控え自宅で過ごすことが増え愛犬Q次郎と一緒に過ごす時間も増えた。今日も早く自宅に戻りQ次郎と遊んであげよう。

「Q次郎!帰ったぞ~」

直ぐにQ次郎がボールを咥えて走ってくる姿が目に浮かぶ。

written by ゴンザレス


2020年11月20日

最近、お袋は病院以外に外出することがないので、紅葉を見に行こうと誘った。
お袋は出掛ける前は億劫だとグズグズ言っていたが、いざ出掛けると晴天だったこともあり少し機嫌も良くなった。車の中でお袋は紅葉を見たあとは牡蠣小屋で焼牡蠣を食べようと昼食の話ばかりしていた。車で1時間ほど走り福岡の西にある紅葉の名所である寺を目指した。
寺に近づくと脇道のない一本道が大渋滞しており車は全く進むことはできなくなった。少し進むと道路脇に寺の関係者なのか男性が立っており、渋滞で停まっている車に声を掛けている。

「この先は2キロほど渋滞しており、お寺までは2時間ほどかかります。この先の少し広い道でUターンができます。それより先は道が狭くUターンすることができませんので、もし引き返されるのであればそこでUターンして下さい」

「えっ、2時間も渋滞しているんですか。天気も良いから皆考えることは同じか…」

結局、2時間も渋滞に巻き込まれることには耐えられないと、来た道を引き返し途中にあった地元の魚や野菜が豊富に揃っている生鮮市場に寄ることに。しかしそこも駐車場は満車で市場の中を覗くと多くの人で混雑しておりコロナの感染リスクを考え市場に入ることも諦めた。結局、紅葉も見ることも市場で買物もできずお袋はがっかりしていた。

諦めて自宅に戻る途中、お袋はどうしても牡蠣が食べたいと言い出した。

「前にお父さんと牡蠣を食べに行ったとよ。美味しかったっちゃんねー」

「牡蠣は少し早いっちゃないと、牡蠣はもう少し寒くならんとなかよ」

「わからんよ。ちょっと海沿いば探してみようや」

僕は仕方なく海岸沿いを車で走ることに。30分ほど車で走ると焼牡蠣の文字が書かれた看板の店を見つけた。その店はBBQの店で牡蠣も焼いて食べることができるようで、店の中に入ると殻付きの牡蠣や肉が冷蔵ケースに並んでいた。そして好みの食材を購入し案内されたテーブルの横にある炭焼きの網で食材を焼いて食べた。外出することに億劫だったお袋も牡蠣をたらふく食べることができ満面の笑顔を浮かべていた。

「あ~美味しかった。デザートは何ば食べようか?」

「…」

結局のところ女性はいつも花より団子のようだ。
これからお袋を外に誘う時は旨いものを食べに行こうと誘うことにした。

written by モンコ


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