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賞与の給与化
2025年05月30日

先週、沖縄よりも早く奄美地方が梅雨入りし、福岡でも雨が続いたので梅雨入りすると思ったが、今週の福岡は澄み切った青空が広がり五月晴れで良い天気だった。6月に入ると全国的に梅雨入りし鬱陶しい季節になるが、サラリーマンはこの時期に夏のボーナスが支給されるので心弾む人が多いのではないだろうか。

ところで、日本を代表するある大手企業が今年の冬から賞与を廃止し、「賞与の給与化」に踏み切るという。背景には人手不足で人材獲得競争が激化し初任給を大幅に引き上げ、人件費が増加したことによるものだという。「賞与の給与化」は企業と従業員にどのようなメリットとデメリットがあるのだろうか。

まず企業のメリットは求人票に記載される月給額が高くなるので、人材獲得を有利に進めることができ、従業員の転職に歯止めを掛けることに繋がる。従業員のメリットでは月給が増えるので、生活が安定し将来設計が立てやすくなる。逆に企業のデメリットは業績に合わせて調整可能な賞与が廃止され賞与が月給に振り分けられて固定化するので、業績が悪くても賞与での調整ができず、持続的に賃上げを行わなければならない。従業員のデメリットは月給をはるかに上回っていた賞与がなくなることで、高揚感とやる気が失われてしまうことに繋がる。またボーナス払いでローンを組んでいた人は支払いが複雑になってしまう。

このように「賞与の給与化」は企業と従業員どちらにもメリットとデメリットはあるが、この流れは日本企業で広がり、いずれアメリカのように個人の能力に合わせた完全年俸制になるのではないだろうか。新入社員で入社すると数年間は教育期間で、その後はプロスポーツ選手のように能力に合わせて年俸が毎年変動し、優秀で能力の高い社員の年俸は増えるが、能力の低い社員の年俸は減り、いずれ退場しなければならない。

海外でもボーナスはあるようだが、日本ほど総支給額に占める比率が高い国は少ない。日本独自の「ボーナス文化」は転換期を迎えているようだ。

若い頃、ボーナスが出ると気が大きくなり決まって旨いものを食べに出掛け、ボーナスの使い道を考えていた。最後に貰ったボーナスはいつだっただろう。

「ボーナスか…懐かしいな~」


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