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2018年05月18日

親父が入院し毎週のように週末は見舞いに出掛けている。先日、親父の今後の治療方針について主治医から話があった。親父はパーキンソン病を患っており、また脳の周りに通常の人の倍の水が溜まっているそうだ。
人間の脳は髄液で覆われており脳は髄液の中に浮いているような状態で、髄液は脳を守るために頭の中でクッションのような役割を果たしているという。またその髄液は一定の期間で新しい髄液と全て入れ替わり、古い髄液はリンパなどを経由し体から尿などと一緒に排出されるそうだ。僕は人間の体の機能にすっかり驚いてしまった。
親父の脳の周りを覆う髄液は上手く排出されていないようで、頭の中で髄液は溜まり、その溜まった髄液が脳を圧迫し脳にダメージを与えているそうだ。その影響で親父の認知力は低下し、体を動かすことが困難になっているという。
そこで主治医は頭蓋骨に穴を開け、溜まった髄液を排出する手術を薦めた。その場に親父も同席していたが、親父は一言も喋らなかった。親父の年齢から手術による体へのダメージを考えると、躊躇してしまう。

病室に戻り、僕は親父に手術の件を確認した。

「親父、手術するや?」

僕がそう聞くと親父は、

「頭にドリルで穴ば開けるて簡単に言うばってん、間違えて脳にグサッと刺さったらどうするとや?」

親父はボソッと言った。

「頭に穴を開ける手術は毎週のこの病院で行われよるらしいけん、先生は慣れとうよ。それに麻酔は全身麻酔やないし、2時間くらいの手術やけん、そげん大変な手術じゃないばい」

僕がそう言うと、親父は黙ったまま病室から見える外の景色を眺めていた。

そこで親父の誕生日も近いので、次の週末に親父を一旦自宅に連れて帰り旨いものでも食べさせ、息抜きをさせようとお袋に話した。お袋は快諾し直ぐに主治医に外出許可をもらいに行った。

「親父、週末は家に帰って寿司でも食おうや!」

僕がそう親父に言うと、親父は嬉しそうに頷いた。

僕の年齢になると親の介護などで何かと時間が制約されてしまう。今のところお袋は元気なので助かっているが、これから両親の命が尽きるまで週末は更に大変になるだろう。それでも親には長生きはしてもらいたい。

written by マックス


2018年05月11日

両親とも定年退職後は金銭的に余裕があり二人でよく旅行に出掛け、それぞれ自分の趣味を楽しみながら悠々自適に生活していたが、親の兄弟が他界し親父は元気がなくなってしまった。まるで自らの他界の時期を実感しはじめているようだ。
最近、親父は毎日の生活に覇気がなく急速に老けている。親父は数年前に癲癇になり、パーキンソン病まで患ってしまった。どちらも脳の病なので突然倒れてしまったり、動けなくなったりしてしまうので、母は親父から目が離せない。親父は食も細くなり体力は低下し、あまり動かなくなったので母が家事全般をこなしている。特に親父のトイレと入浴は大変で、夜中に親父がトイレに一人で立つと転んでしまうのではないかと、母は親父のトイレに付き添い睡眠不足の日が続いている。このままでは夫婦そろって共倒れしそうだ。

先日も夕食後に親父は床にうずくまり動けなくなったので、病院へ連れて行き検査を受けさせた。入院までは必要ないと医者は言ったが、母の疲労を考えると、親父を入院させ母を休ませないと体がもたないので、医者に頼み父を入院させることにした。
入院した親父は若い看護婦さんに格好の悪いところは見せられないと思うようで、自らトイレに行くのだが、親父が転んで骨折しては大変と、ベッドの下には重量に反応するマットが敷かれている。そのマットに親父の体重が掛かるとナースステーションでチャイムが鳴る仕掛けなので、夜中にトイレに行こうと親父がマットを踏むと、看護婦さんが直ちに駆けつける。

「トイレですか?ナースコールを押してくださいね!」

そう、看護婦さんに注意され、看護婦さんに介助され尿瓶で用を足すことになる。

「まるで監視されとるみたいやね…」

親父はまずそうな顔で看護婦さんに従うそうだ。

「親父、若い看護婦さんに下の世話をされるのは恥ずかしいやろ?」

僕がそう親父に聞いてみると、

「この歳になるとどうもないったい。お前もすぐにその歳になるよ。ハハハ」

「俺の時代はロボットがしてくれるけん、恥ずかしくないやろ」

親父を見ているとまるで明日は我が身のように感じるが、老後を元気に暮らせるためにどのように老いと向き合い、幸せに暮らすためにはどうするべきなのか、両親を観察しようと思っている。誰もが老いに勝つことはできないが、老いとちゃんと向き合い、徐々に弱りながらも心身ともに健全に生きることはできるはずだ。今週末、親父を老人施設に入居させること無く、皆に負担の掛からないようにするために、どのような暮らし方がベストなのか話し合うことにしている。

written by ダニエル


2018年04月27日

明日からゴールデンウィークだが、今年就職した新社会人にとっては初めての大型連休で、故郷に帰省する人、友人と羽を伸ばす人、またはのんびりと過ごす人など、それぞれが楽しみにしているだろう。
新社会人の多くは緊張した日が続き、憧れた職場で理想と現実とのギャップに戸惑いを感じている中での長期休暇だ。
ゴールデンウィークが終わると休暇モードから抜け出すことに苦労し、また休み明けに5月病になり職場が更に息苦しく感じる人も中にはいるだろう。
僕は堕落した学生生活を送っていたので、毎朝、定時に会社に出勤できるか不安でストレスを感じていた。
就職して初めてのゴールデンウィークはこの長い休みが終わらないことを心底願っていた。

今年も僕はゴールデンウィークに「博多どんたく」に参加する。
決して祭り好きの出たがりの性分ではないが、お得意先のパレード隊をプロデュースしているので、仕事として毎年参加しており、5月3日は何年も休んでいない。
昨年、一昨年は2年連続で雨の影響を受け5月3日のパレードは中止になった。
特に昨年はパレードのスタート直前まで晴れていたが、低気圧が突然発達したことで雷と突風、それに雹の混ざった土砂降りの雨で急遽中止になった。
パレード中止後、1時間も経たずに天気は回復し晴れ間が広がった。まさに青天の霹靂で唖然としてしまった。
この歳になると大型連休だからと、どこか旅行に出掛けるわけでもないので、毎年、仕事で「博多どんたく」に参加することに不満はない。
ましてこの時期はどこに出掛けても人も車も混雑しており何をするにも費用が割高なので、ゴールデンウィーク明けにのんびりと出掛けようかと思っている。

僕のようにゴールデンウィークに仕事をしている人は意外に多い。
小売店、飲食店、交通機関、テーマパーク、そして多くのサービス業…。
このような業界に就職した新社会人はゴールデンウィークでは休みが無いのでのんびりする間もなく、5月病にもならず仕事と職場に早く慣れることができるのかもしれない。

どちらが良いのだろうか。

それぞれのゴールデンウィークが始まる。
事故にも合わず素敵な休暇を過ごしてほしい。
僕はハッピ姿でインカムを付けて博多の大通りをパレードしている。

written by ゴンザレス


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