今週前半はまるで梅雨末期のような大雨だったが、その後の天気予報は晴れマークが並び、早くも梅雨明けしそうだ。しかし今年はまだ気の早い蝉の声は聞こえないので、梅雨明けはまだ先なのだろうか。いずれにしても嫌いな夏が目の前まで迫っている…。
ところで、最近、NHKのニュースで「ここからはAIによる自動音声でお伝えします」とアナウンスされた後、流暢な日本語でニュースが始まる。
「NHKは多くのアナウンサーがいるのに…。赤字だからリストラしよるんやろうか?」
先月、マイクロソフトが従業員の3%にあたる約6、000人を削減すると発表した。削減される従業員の4割はソフトウェアエンジニアで、AIによる業務の自動化やそれに伴う組織再編が主な要因だという。今はAIが自律的にコードを生成する時代で、「プログラミングができる」というスキルはもはや働く上で競争力の源泉ではなくなった。この変化は、若者の進路にも深刻な影響を与えており、2025年の春、FRBが発表した新卒者失業率ワースト10に、コンピューターエンジニアやプログラマーなどテック分野の人気学科が軒並みランクインしている。かつて「最も就職に強い」とされたテック分野は、今ではAIに代替される最前線に立たされている。また資料作成や定量分析など、これまでMBA新卒者が担っていた業務はAIに置き換えられ、ハーバード大学やスタンフォード大学といった超一流校を卒業しても就職後3カ月で2割前後が無職になるという状況だという。
また今月に入ると、ECサイトを運営するアマゾンが、「AIによる効率化により、今後数年間で管理部門の従業員数は減少する」と、従業員向けの書簡で明らかになった。この報道で注目すべきは、「管理部門の従業員が減少する」ことで、AIの影響は工場や倉庫などでの単純業務に限られると考えられてきたが、ホワイトカラーの中核業務の管理者がAIにより構造的に再編されることを示唆している。
このように従来から主なエリートの就職先であったグーグル、マイクロソフト、マッキンゼーなどテクノロジーやコンサルティング企業では大幅に採用を減らしており、アメリカでは「エリートすら就職できない時代」が現実的になっている。そしてアメリカで起きていることは日本でも必ず起きることになる。これからはAIに奪われない仕事を探すのではなく、自分にしかできない価値を自らが定義し実践することが重要だ。
いつの時代も大きな変化の中で、その時代に順応し生きていくことは大変だ。