立冬を過ぎ、暦の上では冬に入ったが、部屋の中では寒さを感じないので半袖で過ごしている。今年の祝日は残すところ「勤労感謝の日」だけとなり、12月は祝日がないので年末年始の休暇が待ち遠しくなる。
「バカだ!ゴミだ!無能だ!お前はクビだ!」アメリカ大統領選挙の演説でトランプ氏はまるで悪魔のボスのように、相手の候補者を罵り暴言を吐く。そのトランプの暴言に熱狂する聴衆の姿を見ると、まるで悪魔のボスを崇拝する子分のように思える。神と悪魔の戦い、善と悪、いつも神は戦いに負け悪魔が勝利するように僕は思う。
長かった選挙活動を終え、今週、大統領選挙の開票が行われた。結果は共和党のトランプ氏が民主党のハリス氏を破り、4年ぶりに大統領に返り咲いた。大統領選に敗れたハリス氏は選挙後に母校で開かれた集会で「多くの人が暗黒の時代に突入しつつあると感じていることは承知している。しかし暗闇の中でこそ、星が見える」と、キング牧師の言葉を引用して語った。
キング牧師はアメリカ合衆国の公民権運動を指導した黒人の牧師で、彼は幼い頃から人種差別を受けて育った。彼はインド独立の父、マハトマ・ガンディーの「非暴力不服従」の思想に啓蒙され、公民権運動の指導者として非暴力主義を貫き、人種隔離政策撤廃と黒人の投票権獲得のために尽力した人物だ。
彼は1963年にワシントンで20万人にも及ぶ大規模デモで「I Have a Dream」という歴史的な演説を行い、人種差別撤廃と平和への希望を世界中の人々に訴えた。この演説は世界中の多くの人々の記憶に残り人種差別撤廃の共感を得て、1964年アメリカ合衆国で公民権法が成立し、翌年の1965年には黒人投票権法が成立する。キング牧師はアメリカ合衆国における人種偏見を終わらせるための非暴力抵抗運動の功績を称え、ノーベル平和賞が贈られた。その後、彼はベトナム戦争の反戦運動を展開するが、1968年にテネシー州メンフィスで暗殺されてしまう。彼の死は世界中の人々に衝撃を与えたが、彼の遺志は多くの人々に受け継がれ、彼の言葉と行動は今もなお多くの人々に希望を与えている。
「トランプが大統領選に勝ったか、また悪魔が勝利し世界に暗闇が訪れるかもしれない。世界が分断され世界大戦などに繋がらなければ良いのだが…」
キング牧師の言葉「Only in the darkness can you see the stars.」
「苦境の中でも目を凝らして空を見上げると、きっと希望の星が輝いている」そんな意味なのかもしれない。
衆議院選挙の投票が行われ、自民党は大きく議席を減らし目標としていた自公合わせた与党での半数を下回った。裏金問題で悪魔に魂を売った自民党議員の多くは議席を失い、国民の厳しい審判が下された。
ところで数年前から日本でも「ハロウィン」は定着しており、僕も若ければ仮装していただろう。「ハロウィン」の起源は古く紀元前のケルト民族にまで遡る。ケルト民族は現在のアイルランドの騎馬民族で、紀元前2,000年頃、ヨーロッパに領土を拡大していたそうだ。彼等は馬にまたがり鉄製の戦斧を持ち勇敢に戦う民族で、当時最強と恐れられていたローマ軍を大いに脅かしたそうだ。
ケルト民族の暮らす地域には悪魔が住むといわれる洞窟があり、その洞窟は「あの世」と現世を繋ぐ道だと考えられていた。ケルトの新年は11月1日でイヴにあたる10月31日は、死後の世界の扉が開き、先祖の霊がその洞窟から現世に戻ってくるとされ、洞窟の傍にある神殿で動物が生贄としてささげられる儀式が行われたそうだ。現在のような子供向けのイベントとは程遠く、血生臭い不気味な儀式だった。
その後、ケルト民族はキリスト教化していき、その儀式や習慣も祝祭へと変化していった。キリスト教が11月1日を「諸聖人の日」を意味する「All Hallo」と定めていたことから、その前夜は「All Hallo Eve」と呼ばれ、この言葉が転じて「ハロウィン」と呼ばれるようになったと考えられている。そして「ハロウィン」は秋の収穫物を集めた盛大なお祭りへと変わり、死後の世界から先祖の霊と同時に悪魔や魔女など彷徨える魂もやってくるとされ、悪魔や魔女などに仮装し、同じ仲間だと思わせ身を守るようになったそうだ。
19世紀に入ると、「ハロウィン」は移民とともにアメリカ大陸へ渡り、娯楽性の高いイベントへと変わっていった。1950年代にアメリカでホラー映画が流行すると、ドラキュラやフランケンシュタインなどのモンスターたちが仮装に加わるようになった。現代では宗教色は薄れ、完全な娯楽イベントとして、映画やマンガのキャラクターなどコスプレで多くの若者が「ハロウィン」に参加している。
ちなみに「ハロウィン」の「ジャック・オ・ランタン」は、悪魔をだまして生き長らえたジャックが、寿命が尽き天国へも地獄へも行けなくなり、カブで作ったランタンを持ち永遠に彷徨い続けるというアイルランドの民話が元になっているそうだ。アメリカではカブよりカボチャが手に入りやすかったので、ランタンはカブからカボチャへと変わったそうだ。
裏金問題で魂を悪魔に売った自民党議員も、「ジャック・オ・ランタン」を持って街を彷徨ってはいかがですか?
マンションは改修工事中で全ての窓の網戸を外していたが、工事は終盤に入り、網戸を取り付けることができるようになり、日中は窓を開けて過ごせるようになった。しかし夜は物騒なのでしっかり戸締りをする。
ところで関東周辺の住宅に男たちが押し入り現金を奪う強盗事件が続発し、8月以降、その件数は20件にも上る。一連の事件では、敢えて住人の在宅時に窓ガラスを割り室内に押し入り、住人に暴行を加え金品を奪うという凶悪な犯行だ。この事件は「闇バイト」と呼ばれ、SNSなど偽のバイト情報にアクセスした若者が実行役となり、凶悪な犯罪に加担させられている。バイトに応募した若者は個人情報などを指示役に知られ、犯罪に加担しないと家族に被害が及ぶなどと脅迫され犯罪に巻き込まれている。この事件は未だ指示役が捕まっておらず、指示役が捕まらないとこの凶悪な犯罪は収まらないだろう。「闇バイト」というより「凶悪犯罪バイト」だ。
以前、日本では財布を落としても多くは警察や駅などに届けられ、無事に手元に戻って来ることが多かった。外国人観光客からは、「戻ってくるなんて思わなかった。こんなことは自分の国では考えられない」といった感激や称賛の声がネットに溢れている。まだ良心のある日本人は圧倒的に多いだろうが、「闇バイト」のように簡単に犯罪に手を染める日本人も増加している。「闇バイト」に応募した多くは借金を抱えており、「貧すれば鈍する」と言うが、日本人の正直さや親切さを当てにした暮らしはこれから通用しないのかもしれない。
警察庁の発表した「令和5年(2023年)の犯罪情勢」によると、2023年の刑法犯認知件数は70万3,351件で、前年に比べて17%増加している。刑法犯認知件数は、2002年の285万4,000件をピークに、戦後最少となった2021年の56万8,000件まで、19年連続で減少していたが、2022年から2年続けて増加している。
若い頃、数万円の現金と免許証の入った財布を落とし、探したが見つけることができなかった。数日後、財布に入っていた免許証から僕の連絡先が判明し、警察から連絡があった。財布を受け取り財布の中を覗くと何ひとつ無くなっていなかった。警察に財布を届けてくれたのは女性の方で、その方の連絡先を警察から教えてもらいお礼の連絡を入れた。
「この度はありがとうございました。本当に助かりました。何かお礼をさせて下さい」
「いえいえ、当然のことをしただけです。お気持ちだけ受け取っておきます」
「それではこちらの気が収まりません…」
翌日、僕はその方に菓子折りを持ってお礼に出掛けた。
これからも美談溢れる日本であってほしい。