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「花粉と黄砂と、もうひとつの飛来物」
2026年02月27日

中国の新年にあたる春節。例年なら大型連休を利用した中国人観光客で街がにぎわい、どこへ行ってもその波に巻き込まれる。彼らは声も大きいうえ、マナーも悪く、正直、気ぜわしい。

ところが今年は、中国政府が日本への渡航を控えるよう呼びかけた影響で、街は静かだ。

本来なら「静かで有難い」と思うところだが、どうにも落ち着かない。花粉に加えて、早くも黄砂まで飛んできて、目はかゆいし鼻水は止まらない。これまで花粉症とは無縁だったが、黄砂と混ざると途端に手強い。

渡航制限をかけるなら、ついでに黄砂にも制限をお願いしたい——そんなことを考えていた矢先、海の向こうからもっと厄介な“飛来物”がやってきた。

アメリカ最高裁が、トランプ大統領の大規模関税を「法律の範囲外」と判断したのだ。

IEEPA(国際緊急経済権限法)は、どうやら“大統領が好き勝手できる魔法のカード”ではないらしい。

ところが翌日、今度は1974年通商法122条の「貿易赤字の是正」を理由に、最大150日間の一時的関税を課せる規定を持ち出し、10%の世界関税が新たに発動された。

まるで、先生に答案を突き返された翌日に「実は別の答案がありました!」と差し出す子どものようだ。しかも、その“別の答案”の中身は前日とほとんど変わらない。

こうした“やり直し”が続くたびに、世界は振り回される。大国のトップが一枚カードを切るだけで、世界経済が揺れるのだから、スケールが違う。

その波を真正面から受けるのは、企業や各国政府だ。投資判断は先送りになり、貿易は慎重になり、為替や株価は神経質に揺れる。

気分ひとつで会議をひっくり返すワンマン社長の下では会社が落ち着かないように、世界もまた落ち着かない。

トランプ大統領はまるで、ドラえもんのひみつ道具を手に入れたジャイアンが、嬉しさのあまり振り回しているようにも見える。

せめて、空から飛んでくるものくらいは、春の穏やかさを運んでほしい。

そう願いながら、今日もそっと鼻をかむ。


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