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線状降水帯発生!
2025年08月22日

お盆前の連休、福岡では線状降水帯が発生し大雨が降り続いた。テレビでは連日、大雨情報や避難情報が常時放送され、僕の住むマンションの前にある川の水位は普段の5倍ほどに上昇していた。「このまま大雨が続いたら氾濫するかもしれんな…」

その日の夕方、雨は一旦止み雨雲レーダーをチェックすると、夜遅くまでは小康状態が続く予報だったので、気分転換に近所の焼鳥屋で一杯やることに。店は雨の影響なのか、客はいなかいのでのんびり食事をしていると、妹からスマホに動画が送られてきた。動画は妹宅の近くの川が氾濫し、床下まで水が溢れている様子だった。急いで妹に電話をすると、妹宅は高台にあるので幸いにも被害を受けていないというので安心した。

店で食事を終え家に戻る途中、突然、雷鳴が響き土砂降りになった。傘は全く役に立たず全身ずぶ濡れで帰宅すると、履いていた靴は完全に浸水し汚れが落ちて新品のように綺麗になっていた。

日本の夏(6~8月)の平均気温は長期的に1.31℃の割合で上昇しており、都心部ではヒートアイランド現象の影響で上昇幅はさらに大きい。気象庁によると、2024年の日本の平均気温は過去30年の平均値を1.48℃も上回り、統計開始以来最も高くなった。パリ協定では、世界平均気温の上昇を産業革命前と比べて1.5℃に抑えるための努力目標を掲げているが、2024年の世界平均気温は産業革命前と比べて1.55℃の上昇になっている。

温暖化による気温上昇で、日本では大雨が増加し1時間の降水量は50mm以上の大雨は、1980年頃と比べて大幅に増加している。気温の上昇に伴い大気中には多くの水蒸気が含まれていることで大雨になりやすく、その頻度は徐々に増え自然災害も増加傾向だ。特に夏から秋のはじめは「出水期」と呼ばれ、台風や線状降水帯による集中豪雨が発生しやすい。また温暖化は人にも直接影響を与えている。2024年の熱中症死亡者数は初めて2,000人を超え過去最多になっている。暑さが招くリスクは熱中症だけではなくメンタルにも影響を及ぼし、気温と自殺者数のデータを解析すると、気温上昇と自殺者数に因果関係あることが確認された。また気温の上昇により熱帯地方に生息するデング熱の媒介蚊であるヒトスジシマカの生息域が北上しており、今後、感染症の増加も心配されている。

これからは経済を優先するより、のんびりと自然と共に暮らすことはできないのだろうか。一人の力で温暖化をくい止めることはできない。

「しかしうちのマンションの前の川が氾濫しなくて良かったな~」


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