先週の金曜日、福岡管区気象台から早くも梅雨明けの発表があった。今年の福岡の梅雨明けは例年よりも20日ほど早く、6月の梅雨明けは観測史上初めてだという。早速、梅雨が明けたので洗車場に出掛け、汚れていた愛車を汗まみれになり洗った。洗車が終わり乾いた喉を潤そうと、洗車場脇に置いてある自販機に近づき並んでいるドリンクの値段を見て驚いた。自販機にはコカ・コーラ(500ml)が190円で販売されている。
「うわっ、高くなったな~。そう言えば、秋から自販機のコーラ(500ml)は200円になるって言いよったな~」(僕が子供の頃、コーラは確か50円だった…)
以前は「ドル箱」と呼ばれていた自販機は、人口減少やコンビニの台頭により低迷が続き、そこに新型コロナの影響で売上がさらに減少し、自販機の販売量はコンビニに抜かれるのも時間の問題だ。
自販機組合の調査によれば、2014年に247万台あった自販機の稼働台数は2024年に約20%減の204万台に減り、その中で1割近くの自販機は赤字だという。しかも、今年の10月には飲料各社が大幅な値上げを計画しており、赤字の自販機は2〜3割に増えると予想されている。国内の飲料事業で売上の9割を自販機が占める大手飲料メーカーは苦戦し、2025年の第1四半期の売上は前年同期比の5%減で28億円の赤字になっている。また約70万台の自販機を有するコカ・コーラは、ここ数年の価格改定がじわじわと影響し、昨年10月の値上げで販売減少が顕著になったそうだ。
こうした市場環境の変化で業界では競合間の連携が進み、自販機で商品の相互販売が増加している。競合メーカー同士がブランド力のある商品を同じ自販機で販売することで、相乗効果によって売上の増加を狙っており、まさに「昨日の敵は今日の友」だ。これからの日本は人口減少により、単独での売上増や採算改善は限界に達し、競争しながらも協業できる領域を幅広く模索していくことが必要だ。
現在の日本には約60人に1台の自販機が全国に設置されている。最近では街の安全に貢献する防犯カメラ付きの自販機まで存在するが、そもそも日本にこんなに多くの自販機が必要なのだろうか?昔、お湯が出る自販機でカップラーメンまで売っていたが、あの自販機はどこに消えてしまったのだろう。 将来、自販機は無くなってしまい、博物館で展示されているのかもしれない。