7月に入り九州では大雨が続き九州の至る所で土砂崩れや河川の氾濫が相次ぎ大きな被害が出ている。先週の福岡も連日大雨だったので、僕は靴が水没しないようにビーチサンダルで仕事に出掛けた。ビーチサンダルは雨に打たれて随分綺麗になった(笑)
毎日、空は厚い雲に覆われ空はどんよりしているので気分は優れない。しかも今年の春先から自宅を引っ越そうと物件を探しているが、気に入った物件が見つからないので余計に憂鬱の日が続いていた。
今住んでいる自宅を引っ越そうと決めたのは、親父が長く入院しお袋は一人で暮らしていたが、春先にお袋が親父を見舞いに行った際に転倒し頭を打ち怪我を負った。そこでこれ以上お袋一人で暮らすことは無理だと判断し、今住んでいる自宅より広い物件に引っ越しお袋と一緒に暮らすことにした。
3月から毎日のようにネットで住宅情報を閲覧し10軒以上の物件を内覧したが、思うように条件に合った物件は見つからない。やっと5月末に条件に合った物件を二つ見つけた。ひとつはリビングが広く好立地だったが家賃が予算より高く、駐車場が機械式で僕の車のサイズは利用できなかった。そのためもうひとつの物件と契約手続きに入ったが、依頼していた不動産会社から契約直前に初期費用と家賃以外に追加費用が発生すると告げられ、僕はその不動産会社に憤りを感じその物件と不動産会社を断った。
そこで当初の物件で再度検討を始めることにしたが、その物件は家賃が高いうえ駐車場を見つけるという二つのハードルをクリアしなければならない。まずお得意先である不動産会社に相談しその物件の周辺の駐車場を探してもらうと、偶然、その物件の近くで駐車場が見つかりひとつのハードルはクリアできた。
そして賃料は僕の予算を不動産会社に伝えオーナーに交渉してもらうことにした。その物件は賃料が周辺の物件と比べて高く設定されており長い間空室だったようで、先方は僕の提示した賃料を承諾しくれた。二つのハードルをクリアでき、晴れて引っ越し先が決まった。憂鬱だった心が晴れた。
先週、昨年亡くなった愛犬Q太郎の命日だった。Q太郎と楽しく暮らしたこの部屋を引っ越し、Q太郎の生まれ変わりでやんちゃなQ次郎を連れて新しい部屋で新生活が始まる。よくしゃべる高齢のお袋ももれなく付いて来るので毎日煩いだろう…。
もうすぐ長い梅雨が明ける。そろそろ引っ越し準備を始めるか。
written by マックス
新型コロナウィルスの影響で売上が落ちた中小企業や個人事業主を支援するため、政府は持続化給付金を支給している。持続化給付金の申請はオンラインのみで受付けているため、高齢の方やパソコンやスマホが苦手な方は申請が難しいようだ。そこに付け込んで申請を代行し報酬を得ている業者がいるとそうだ。その業者は何と給付された金額の20%の報酬を受け取っているようで、何ともたちが悪い。報酬など受け取らずに親切に申請方法を教えて手伝ってあげれば良いものを…。
数年前、夏休みで僕が実家に帰省していた夕方、実家の電話が鳴った。親父が電話に出ると、親父は突然大声で怒鳴り電話を切った。僕はびっくりして親父に電話の内容を尋ねた。
親父が電話に出ると、電話の向こうからこう話してきたそうだ。
「俺、俺」
「俺、俺ってどちらさんですか?」
「はぁ~?親父は息子の声も忘れたんね?」
「…」
「ところで親父は元気しとるね?実はさ~」
「バカもん!!お前は俺をバカにしとるんか~!!息子は俺の目の前におるわい!!」
偶然、僕が実家に帰省していたので親父は騙されることは無かったが、もし僕が実家にいなければひょっとすると騙されていたかもしれない。
それ以降、実家の電話機をナンバーディスプレイ機能の付いた電話機に取り換え、登録されていない電話番号以外から着信が鳴ると電話には出ず、留守電で内容を録音し、録音を聞いた後に必要がある場合のみ電話を折り返すようルールを決めた。それ以降、妙な電話は掛かってこなかった。
新型コロナウィルスの影響で今後、経済はさらに悪化する恐れがある。景気が悪くなると悪い輩が増え詐欺まがいの行為が増えてくる。詐欺などに引っかかり騙されないよう家族でルールを決める、くれぐれも気を付けなければならない。
written by 彦之丞
僕の両親は結婚すると親父の転勤で長崎に暮らしていたが、数年後に親父は福岡に移動になった。その時お袋のお腹の中に僕がいたので、出産と育児を考え、福岡で暮らす祖母(母方)の家で暮らすことになった。祖母の自宅は小さな商店を営んでおり、祖母は一人でその店を切り盛りしながら暮らしていた。
祖母は昔幼い息子二人を病気で亡くしており、初孫の僕が生まれると祖母は随分と喜び、まるで我が子のように僕を可愛がったそうだ。僕が生まれ数年が経つとお袋も働きに出るようになり親のいない間は祖母が僕の面倒を見てくれた。
その後、妹が生まれ家族が増え祖母の家も少し窮屈になったので、僕が小学校に上がると両親は祖母の家の近所に家を購入し僕等はそこに引っ越した。毎日、学校が終わると近くの祖母の家に向かい、親が仕事から戻るまでの時間を祖母の家で過ごした。祖母の暮らしは楽ではなかったが、僕らが学校から帰ると店のお菓子をおやつでくれた。
時間が経過し、僕が成人すると祖母は僕の名前の書かれた通帳と象牙の立派な印鑑を僕に贈ってくれた。その通帳の預金高には1,000,000円が記されていた。
「婆ちゃんはあんたが成人する時、お祝いに1,000,000円を渡すっと言って、あんたが生まれてから20年コツコツとお金を貯めよったんよ」
お袋がそう教えてくれた。
ところで僕は長い間広告業界で働いているが、広告業界やマスコミ業界では売上金額が数千万円、数億円になることもよくあり金銭感覚が少し麻痺してしまうようだ。やたら周りに聞こえるような大声で大きな売上金額を口に出し自慢している者も多い。決して自分の懐に入る金額ではないのに…。
新型コロナウィルスで売上が著しく落ち込んだ個人事業主に政府は持続化給付金1,000,000円の支給を始めた。政府広報などでその金額を目にしたとき、ふと祖母から貰った1,000,000円を思い出した。どちらも同じ金額で価値は同じなのだが、その金額の中にある想いは全く異なる。
祖母は質素な生活を送りながら僕の成人の祝いのために20年間もコツコツとお金を貯めてくれた。祖母が僕に贈ってくれた1,000,000円は長い年月の重さと、大きな愛情が刷り込まれていたように感じた。
少し麻痺していた僕の頭が元に戻った。
written by ダニエル